第9回PHRオンライン講演会は皆様のご協力により、盛況のまま無事終えることができました。心より御礼申し上げます。

PHR連携委員会発足前のプレ会議を2021年4月に行いました。

PHR協会連携委員会立ち上げに関するプレ会議

 

日時:令和3年4月6日(火)20時~21時30分

場所:Web会議
出席者:大神、織田、筒井(記録)
(順不同・敬称略)

会議内容(司会 大神)

PHR協会連携委員会の在り方について

大神:1年前のPHR協会連携委員会立ち上げに関する資料(PHR実現へのPHR協会の検討体制案)を基に連携委員会の在り方について話し合いたい。
 現在、国のPHR設計が構造としてマイナーポータル経由でレセプトデータ、メタボ健診のデータ、処方薬のデータ、健保組合の施策から情報を吸い上げてデータを回していく、という方向がある。
 健保組合では、すでに狭義のPHRと言えるサービスを開始している例がある。ある会社では健康経営の認定を受けた際に、全国事業所の健診データがどこでも見れるというアプリサービスを始めて健保を中心に開始し、現在7000名の規模となっている。しかし会社全体では組織率が半分位しかない。これはグループ会社内で健保が複数あるためで、100%にはならない。会社が違うと異なるシステムが入っている。その為データを個人に戻そうとした動きはあるが、実現が困難になっている。

大神:連携委員会が何から始めるかを考える時に、このようなサービスなどについて、科学的にレビューすべきと考えている。
 現状は、検査データの基準値が健診機関でバラバラである事など、PHRデータを1本に纏める事が困難な状況があり、そこにPHR協会がどの様に関与できるかを考える事が必要だろう。ただ、データ標準化の話はややこしくなるので、連携委員会には、何が世の中で起こっているかを、客観的にウォッチして、科学的にレビューする事が求められると考える。

 例えば、マイナーポータルでは大きなデータを国がとり仕切っているが、一方で健保が持っているデータでも事業所健診や特定健診のデータを用いて様々なサービスが提供されている。
 ただ、現在のところ健保が持っているデータについては、精度管理などを無視したような状態で、データに単なる機械的な解釈をほどこして、被保険者に様々な情報提供、場合によっては医学的な指導までするアプリケーションが存在する。
 たとえば現在のデータから血糖値や血圧などについて将来予測する装置まであるが、その予測値やリスクの出し方に医学的な検証を十分に行われずにアプリだけが先行して動いている、という問題も出てきた。食生活の良し悪しなどを自動で指導するアプリもある。これらの様な、データの使い方をきちんと検証されないまま、アプリのサービスだけが走っているのは問題である。
 最近は様々な分野でデジタル化の動きが先行しているが、その基礎となるデータの検証がおざなりになっている。今こそ、世の中で何が出きていて、そして今後何が必要となるか、きちんとサーベイする必要性が従来に増して大きくなったと考える。

 すなわちPHR協会には正しい情報の発信源としての役割が求められるようになる。こちらで情報を集めて、世の中はこの様になっている、というのを明らかにして、これからどうするかを我々は考える必要があるのではないか。

織田:大切な事だ。急いでやらないといけない。

大神:さらにPHR協会はこの様な質問に対して答える義務も出てくるだろう。今はユースケースも必要だが、連携委員会としては、現実論に踏まえて今何が出来るか、またやるべき事を考え、それを一般社会に提供して還元する必要がある。
 そのためにはPHR協会は、もう少し確からしいものをつくらなければならない。
 例えば健診のデータを基にして、産業医はある意味、従業員の自由を制限するような就業判定をすでに業務として行っている。その様な業務を遂行するために必要なデータには極めて高い精度が求められる。
 これらの観点に加えて、EHRの連携で疾病管理なども必要となる。今回PHR協会で新理事となられた前田先生、他の先生方に期待したい。
 その他に活用できると思われる連携先として、とびうめネットなども考えられる。

織田:連携委員会が最初にすべき事は、PHRの定義などについて再度リサーチが必要。単なる項目の羅列ではなくて、セキュリティ、個人情報保護など、様々な項目の中で、一体どの項目を含んでいる事がPHRと言える条件なのかを、再定義する必要がある。

大神:そのためには他のPHR関連団体と情報共有や情報交換が必要が必要となる。お互いに率直に意見を言える状況を作る必要がある。お互いの意見を戦わせるのも良い事である。東先生のご意見は、ユース側に良いものがあれば使う。世の中がどうあるべきかについて考えるべき、であった。

大神:本日の会合は、連携委員会のプレ委員会として、今後新しい理事の先生方を迎えるにあたってどのように進めるか議論した。方向性としてはユースケースの情報収集が最優先。
さらに新しい理事の先生方との理解を深める。開催は月1回ペースでWEBで行う。議事録はHPにアップする。

筒井:PHRが産業保健のみに特化しているものではないのは当然だが、我々の様に産業保健で指導的立場にいて、それぞれの分野の専門性については誰にも負けない、という者がこれだけそろっている以上、まず自分達の専門分野から成果を出していく事が求められるのではないか?
 これまで時間をかけてPHRについて考えてきたにも関わらず、自分たちの最も得意とする分野で成果を出せないようであれば、我々が専門外とする分野に手を出しても成果を出せるとは思えない。
 今後進めるべき具体的な例として、両立支援の取り組みがあり、特に福岡産保センターで取り組んでいる両立支援は厚労省が進めているトライアングル型支援に加えて統括産業医経験者や理学療法士、保健師などがチームでサポートする体制を試験的に進めているところである。この取り組みに最も必要なものは情報の共有である。ここにPHRの仕組みがあれば大きな発展が期待できるのは明らかで、この様な処から、これからのPHRのあり方について考える事も必要だと思われる。

織田:その取り組みに適したパソコンのアプリを開発している。詳細について議論したい。

大神:4月7日17時半頃から産医大、大神研究室に集合、話し合う機会を設ける。

以上

© 2021 PHR Association Japan