第11回PHR協会講演会の講演録―令和4年9月15日13時~17時―
PHR協会は昨年9月15日に定例のPHR協会講演会を行いました。
今回、講師の先生方に、各界の最高権威の方々をお招きし、その成果を映像と資料(PowerPoint+Word)にとりまとめて、貴重な資料となりました。
これまでは講演会にご参加いただいた皆様とPHR協会の会員にのみ公開しておりましたが、2023年3月1日より9月までは、PHR協会のホームページからすべての皆様に無料で公表させていただきます。皆様のご活用を期待いたします。
総合司会:PHR協会理事 森口修逸
1. 堀部政男先生 我が国の初代個人情報保護委員長
演題:日本における個人情報保護法制定・改正とブリュッセル効果
2022年4月に我が国の個人情報保護法が改正されました。堀部先生には、当初からこれまでの個人情報保護法に内外との対応に携われたご苦労を語っていただくとともに、2019年1月にEUと我が国相互間の「個人情報保護の十分性の認定」に至った以降の、我が国のこれからの対応についても、ご示唆いただきたいとの我々のお願いを致しました。PHRに関しても、EUの「ブリュッセル効果」と呼ばれるEU戦略とともに、2022年5月に公表されたEHDSもご紹介いただきました。
2. 堀江正知先生 産業医科大学副学長(元産業生態科学研究所所長)
演題:産業保健分野における個人情報保護
2022年4月に施行された改正個人情報保護法を産業保健・医学研究等の立場からの実践について、具体的に解説いただきました。
― 参考論文 https://doi.org/10.34354/ohpfrev.35.1_42―
(共著:永野千景・堀江正知・森口修逸)
3. 竹村彰通先生 滋賀大学学長
演題:データサイエンスと滋賀大学の活動
データサイエンスの概要と、我が国で最初にデータサイエンス学部を設立した経緯と、その活動概要等。医療・医学研究へのデータサイエンスの可能性を示唆されました。
4. 中島直樹先生 九州大学病院副院長(メデイカル・インフォーメーションセンター長)
演題:PHRの相互運用性を考慮した産官学における検討状況
PHR・PHRアプリの概要と治療への活用、及び、PHRの相互運用性への、産官学が協調した活動によるPHRの可能性を解説されました。
5. 岡本悦司 PHR協会代表理事(福知山公立大地域経営学部医療福祉経営学科教授)
演題:PHRのためのマイナポータル活用
マイナポータルには、本人のレセプト情報・医薬品情報・健診情報等、多くの個人健康情報が搭載されてきており、容易にPHRのコンテンツの一部になりうることを解説いたしました。
総合討論:テーマ:「患者と医療サイド側からのPHRの活用」
座長 PHR協会理事 安藤 裕 鈴木 淳夫
参加者 全講師の先生方