テーマ:PHR連携を活用した保健医療介護連携の実現への提案
会場:札幌コンベンションホール とWebのハイブリッド
座長:
- 鈴木 淳夫(PHR協会理事/(一財)医療情報システム開発センター 部長)
- 安藤 裕(PHR協会理事/埼玉メディカルセンター)
演者:
- 岡本 悦司(PHR協会代表理事/福知山公立大学教授)
- 前田 正信(PHR協会理事/人間環境大学教授)
- 細羽 実(PHR協会監事/京都医療科学大学名誉教授)
- 永野 千景(産業医科大学産業生態科学研究所講師)
- 森口 修逸(PHR協会理事/株式会社エム・ピー・オー代表取締役)
概要:
個人健康情報のデジタル化とネットワーク化により、各機関間の情報交換が実現してきた。保健医療介護連携(地域医療連携や産業保健連携・介護連携等)での、健康や生き甲斐への考え方などを個人の責任で表明し、それに沿った保健医療介護者の支援を平等に受けるには、デジタル化した個人健康情報(PHR)を介した連携が効果的かつ有用である。
保健医療介護等の施設間のデジタル連携が求められている。具体的には、地域医療連携(診療所から中核病 院・大学病院を結ぶ)、産業保健連携(事業所・産業医・健診機関及び主治医を結ぶ)、介護連携(在宅・入所 型の介護施設と主治医とを結ぶ)、そして、仮名加工情報・匿名加工化情報を主な対象とした、医学研究連携 等々。一方、その時のその施設で得た健康情報以外の情報獲得は本年4月より厳格化の方向に改訂・施行された、個人情報保護法により、同意等に係る煩雑な手続きが必要となる。
(参考論文: https://doi.org/10.34354/ohpfrev.35.1_42)
この手続きを簡略化するために、本人の意思による本人のPHRの提供が、これら連携の実現のために極めて有効である。 これら、多機関・多職種連携の事例として、先天性心疾患小児期の就学支援,成人期の就労支援,出産子育て支援などPHRによる多職種・⻑期間の連携を具体的に検討する。また、PHRの一部として、マイナポ ータルに格納・拡大されている、医療機関(医科・⻭科)、調剤レセプト、特定健診結果などの医療データ、調剤薬局におけるQ/Rコードとのような既存のデータの活用が有用である。さらに、産業保健と医療・介護という、個人健康情報の利用目的が異なる施設に、本人により管理されたPHRを介して、本人の意向や個人健康情報等を適切に伝えること、さらには、職種等に応じたアクセス制御で、本人と関連する機関間の連携が実現可能となる。
本チュートリアルの分担は、下記。
b. 先天性心疾患患者の診療・就学・就労支援における PHR の役割(前田)
c. PHRによる地域医療連携・産業保健連携のための標準的枠組みの検討(細羽)
e. 保健医療介護連携のための個人情報保護と情報ネットワークの機能(森口)
f. ラウンドテーブル 「PHR を活用した連携実現への提案」(座⻑ 安藤・鈴木)